宅建合格講座|民法ワンポイント解説7
2021.3.27
前回に引き続き、民法最頻出分野である『抵当権』についての解説を致します。早速、事例を見ていきましょう。
◆例◆
Pは、Qから借金をし、Qのために自己所有の建物に抵当権を設定した。PがRに、当該建物を売却した場合、Qは、この代金を取り上げることができるでしょうか?
図
◆答え◆
取り上げられる。ただし、代金がPに払い渡される前にQが差し押さえることが必要。
ポイント(1)
抵当権は、その目的物の売却、賃貸や滅失(全部消滅)または損傷(一部消滅)によって抵当権設定者が受け取るべき金銭その他の物(火災保険金など)に対しても、行使することができます。これを、物上代位といいます。
ポイント(2)
ただし、その払渡しまたは引渡しの前に、抵当権者自身が差し押さえをしなければなりません。
ポイント(2)について→なぜ払渡しや引渡しの前に差し押さえるのかというと、払渡しや引渡しの後では、どの部分が物上代位の目的なのか区別がつかなくなるからです。
抵当目的物を賃貸した場合も、◆例◆と同じです。RからPに賃料が払い渡される前に、賃料債権を差し押さえることができます。(図1)
図1
なお、建物賃貸借が抵当権者にとってじゃまになる場合でも、抵当権者が賃貸借契約を解除させるという権限はありません(昔はありました)。
その他、抵当目的物が火災で滅失または損傷することにより抵当権設定者Pが火災保険金請求権を取得した場合にも、抵当権者Qは、保険会社からPに保険金が払い渡される前に差し押さえることができます。(図2)
図2
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