宅建合格講座|民法ワンポイント解説5
2021.2.28
今回は、『強迫』に関する次の2つの問題の解説を致します。
(1)善意の第三者から取り戻せるか?
(2)第三者の強迫(契約相手以外の者が強迫者)
では、問題を見てみましょう。
- ◆問題(1)◆
Pは、Qから強迫されて、建物をQに売却し、その後、Qは建物を強迫の事実を知らないRに転売した。Pは、Qとの契約を取り消して、Rに建物を返せといえるか?
◆答え◆
返せといえる。PはQとの契約を取り消して、Rから建物を取り戻せる。
ポイント解説
以下、改正民法の内容です!要チェック!
「強迫を理由とする取消しは、善意無過失の第三者にも、悪意の第三者にも、対抗(主張)できる。」
考察
このケースのポイントは、詐欺の場合と異なるという事です。詐欺の場合は、Rは善意無過失であれば保護されるが、強迫の場合は、Rは善意無過失でも、Rの所有物だという登記があっても保護されません。
なぜでしょうか?
それは、おどされた者には、まったく不注意がないからです。詐欺の場合より、もっとかわいそうだから、強迫された場合は、第三者が善意無過失でも悪意でも取消しを主張できるようにしたのです。
- ◆問題(2)◆
Pは、Aからおどされて、強迫の事実を知らず、知らないことにつき過失がないQに建物を売却した。Pは、Qとの契約を取り消して、建物を返せといえるか?
◆答え◆
返せといえる。Pは契約を取り消して、建物を取り戻せる。
考察
第三者の強迫の場合、相手方が善意(過失の有無不問)であろうと悪意であろうと、取り消せます。ここが詐欺の場合と異なる点です。
当校では、2021年度(4月スタート)の宅建合格講座申し込みを受付中です。講座の詳細はこちら