宅建合格講座|民法ワンポイント解説9
2021.6.28
今回は、【相続】の中から、「遺留分の侵害」について、事例を交えて解説致します。(5月30、31日に当校の「宅建合格講座(対面講義)」で実際に行った授業内容の一部となります。)
- 遺留分の侵害とは
遺留分を有する者を遺留分権利者といいます。遺留分権利者の受けた財産額が遺留分に満たない状態を遺留分の侵害といいます。
◆事例◆
Pは、遺産4,000万円を残して死亡した。Pには配偶者Q、子R・Sがいるにも関わらず、生前Tに、自分が死んだら3,000万円贈与すると遺言した(遺言による贈与を遺贈という)。
もし、この遺贈を実行したら、残りの遺産は1,000万円となってしまう。
この場合の、「正規の遺留分」と「遺贈が実行された場合」の各遺留分権利者の金額、そして「遺留分の侵害分」について、下の図で解説致します。
この図の(C)の様に、遺留分の侵害額は、配偶者Q:500万円、子R・S:各250万円となります。
- 遺留分侵害額の請求
遺留分を侵害された者は、侵害された分を返せと主張する事ができます。
これが遺留分侵害額の請求です。上記(C)の部分の金額を請求できます。
遺留分侵害額の請求をしても、遺贈自体は無効にはなりません。
侵害された額の金銭の支払いを請求できるだけです。
(遺留分侵害額の請求をするか否かは自由です。)
- 遺留分侵害額請求権の期間制限
遺留分侵害額請求権は、遺留分権利者が、相続の開始および遺留分を侵害する遺贈等があったことを知った時から1年間行使しない時は、時効によって消滅する。
相続開始の時から10年経過した時も、消滅する。
- 遺留分は放棄できる
相続開始前に放棄する場合:家庭裁判所の許可が必要
相続開始後に放棄する場合:自由に放棄できる
なお、遺留分を放棄しても、相続人にはなれます。遺留分の放棄とは、遺留分を請求しないというだけなのです。
当校では、4月の第一回目の授業から、「講義」だけでなく「問題を解く→ポイント解説」もセットで毎回必ず行っております。
「民法」からスタートした当校の宅建合格講座(対面講義)ですが、6月からは「宅建業法」の学習を進めております。
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